月刊アフタヌーン / 通常連載
ビターエンドロール
『ビターエンドロール』は、月刊アフタヌーンの通常連載作品として記録されている漫画です。出版社は講談社。作者(作画)は佐倉旬。連載期間は2021年8月号 - 2022年12月号。
あらすじ・ネタバレ
竜巳病院で働く新人の医療ソーシャルワーカー・犬飼一は、病気やけがの治療が終わった患者が、その後の生活で直面する問題に向き合う。退院しても、医療費や生活費、仕事、家族関係、住居、介護、障害福祉などの課題は残り、患者本人だけでは解決できないことが多い。犬飼は患者や家族の話を聞き、制度を調べ、病院内の医師や看護師、地域の支援機関と調整しながら、再び生活へ戻る道を探す。支援がうまくいかない例や、本人の希望と家族の事情が衝突する例にも向き合い、医療が病気を治すだけでは完結しないことを学んでいく。治療の後に続く人生を、社会福祉の視点から描く医療ドラマである。
豆知識・雑学・よくある質問
医療ソーシャルワーカーは、患者や家族の心理・社会的問題について相談に乗り、退院支援や社会保障制度の利用、地域の機関との連絡調整などを行う専門職である。医師が診断と治療を担い、看護師が療養生活を支えるのに対して、MSWは病気によって変化した生活全体を見渡す役割を持つ。支援の対象は患者だけでなく、家族、職場、住まい、経済状況にも及ぶ。作品の題名にある「エンドロール」は、治療の終了を物語の終わりとせず、そこから始まる生活を見つめる意図を表している。
読者の感想・考察まとめ
医療漫画では手術の成功や病名の解明がクライマックスになりやすいが、本作は退院後の「普通に暮らす」ことを難しい問題として描く。支援者が善意だけで相手を救えるわけではなく、制度の条件、本人の選択、家族の負担、地域資源の不足が結果を左右する。犬飼が患者の希望を聞き出す場面は、正解を押しつけるのではなく、その人が何を大切にして生きたいかを確認する作業になっている。病気を個人の問題に閉じず、生活を支える仕組みの問題として考えさせる点に、本作独自の苦さと温かさがある。
読み方・略称・英題
ビターエンドロール
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